私は、つなぐ。 上と下を。
朝と夜を。 子どもと大人を。
毎日、いろんな足音が私の上を通り過ぎていく。
「ドタドタッ!」 「トントントン…」 「ギシッ…」
あ、今日はお父さんが寝坊したみたい。
急いで降りていった。
スリッパ、片方脱げてたよ。
子どもたちは、いつも私の上で競争する。
「よーい、どん!」って言って、笑いながら駆け上がる。
私はちょっと痛いけど、嬉しい。
でも、最近ちょっと静かだった。
あの家族が引っ越していって、私はぽつんと取り残された。
しばらくして、また作業服のおじさんたちがやってきた。
「ちょっときしみますね〜」
ギクッ。
聞こえてたのか。
「踏板、張り替えましょう」
私は、また新しくなるらしい。
でも、全部じゃない。
骨組みはそのまま。
私は、私のまま。
新しい木材が貼られて、ワックスが塗られて、 私はちょっとツヤツヤになった。
そして今日、新しい家族がやってきた。
子どもがまた「よーい、どん!」って走ってくる。
私は、またつなぐ。
この家族の、毎日を。
だって私は——
階段だから🪜✨


