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INOKENナラティブ‼ 世代交代 シリーズ9

2026/03/19

こんにちは。
私は、この家の行き来をずっと脇で見守ってきました。

上へ下へ。
家族が行き交うたび、 そっと触れられ、
急ぐ足取りを受け止め、
ためらう動きに寄り添ってきました。

毎日の動線。
私はそこで、目立つことなく、
けれど確かに、 暮らしを支えてきたのです。

けれど、年月は私にも変化をもたらしました。

最初は頼もしかった感触も、
いつしか 少し心もとなくなり、
触れたときの安心は、
ゆっくりと薄れてきました。

気づけば、
わずかな揺れ。
引っかかる感触。
体を預けると伝わる不安。

「まだ使える」
そう思われながら、
私は静かに、役目の終わりへ近づいていました。

そんなある日、
作業着姿の人がやってきました。

「これからの暮らしに合わせて、いまの基準にしましょう」

その言葉を聞いた瞬間、
私は少し驚き、そして不思議と胸の奥が軽くなった気がしました。

家族が成長するように、
必要とされる支え方も、
変わっていくのですね。

カチャ、ギギギ、ストン。

数十分後、
私は静かに、その場所を離れました。

代わりに迎え入れられたのは、
今の暮らしにぴったりと合った存在。

自然に手が伸びる形。
しっかりとした安心感。
滑らかな触れ心地。
誰にとっても無理のない位置。

「これで安心ですね」

明るい声とともに、
家の空気が、少しだけ変わりました。

上る足音が軽くなり、
触れる動きに、迷いがなくなる。

その様子を、
私は少し離れたところから、
静かに見守っていました。

世代交代。

少し寂しくて、
けれど、どこか誇らしい。

私が支えてきた時間があったからこそ、
今より安全な形へと、
バトンが渡されたのです。

当たり前に、そこにある存在。

でも、 その“当たり前”が、
毎日の安全を守っています。

「まだ大丈夫」ではなく、
「いま、どうなっているか」。

一度立ち止まって見てみるだけで、
暮らしは、ずっと安心になります。

ありがとう。
そして、よろしく。

かつてこの階段に取り付けられたいた、
一本の手すりより。

今の暮らしに合わせて、
手すりの交換を考えてみませんか。

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