『ポタポタのその先に』
私は、屋根の端っこに静かに立っている。
誰も気づかないかもしれないけれど、私は毎日、大切な仕事をしているんだ。
雨が降ると、屋根から流れてくる水を受け止めて、
それをそっと地面まで運ぶ。
もし私がいなかったら、壁も玄関も、びしょびしょになっちゃうんだよ。
新しいご家族が来てから、私はちょっと忙しくなった。
洗濯物を干すたびに、ベランダの水が流れてくるし、
子どもたちが水遊びをすると、私の中にシャボン玉が入ってくることもあるんだ。
ある日、強い雨が降った。
ザーザー、ゴーゴー、まるで滝みたいだった。
私は一生懸命、水を流したけど、ちょっと詰まってしまって…
「ポタポタ…」って、玄関の前に水たまりができちゃった。
次の日、作業服のおじさんがやってきて、
私の中をきれいに掃除してくれた。
「よし、これでスッキリ!」って言ってくれて、
私はちょっぴり誇らしかった。
目立たないけれど、
雨の日も、晴れの日も、私はここで、みんなを守っている。
だって私は——
雨どいだから(▽)