シュッ。
今日も誰かが私に火をつける。
青い炎が「ゴォーッ」と立ち上がると、胸が熱くなる。
鉄の皿が私の上に置かれると、ジューッと音が広がる。
油の香り、野菜の匂い、肉の焼ける匂い…全部私の体を通して広がっていく。
みんなの「おいしそう!」の声が聞こえると、ちょっと誇らしい。
でも時々、煮込みの器を置かれたまま忘れられることがある。
「グツグツ…」と煮えすぎて、私まで汗だく。 危ないよ、ちゃんと見ててほしいな。
ある日、知らない人がやってきた。
私の体を外して、ゴシゴシ磨いてくれる。
焦げついた部分を削られると、ちょっと痛いけど、終わった後はスッキリ。
「ピカピカになったね!」って声が聞こえて、嬉しくなる。
夜になると、私の出番は少なくなる。
静かな時間の中で、次の料理を待つ。
明日はどんなごちそうを作るのかな?ワクワクする。
私はずっとここで、家族の食卓を支えていく。
だって私は——
コンロだから(▽)**


