こんにちは。私は、かつての排水の「蛇腹」でした。
私は長い間、この家の水を受け止めてきました。
曲がりくねった体で、シンクの下にひっそりと隠れながら――
そう、私は排水口の蛇腹です。
毎日、料理のあともや洗い物のあとも、
黙々と水を流し続けてきました。
でも、年月とともに変化は訪れます。
最初は柔らかかった体も、
だんだんと硬くなり、
細かな凸凹には汚れが溜まりやすくなりました。
気づけば–
・ぬめり
・臭い
・小さな亀裂
・ポタポタ落ちる水
「まだ大丈夫」
そう思われながら、私は少しずつ限界に近づいていました。
ある日、作業着姿の人がやってきました。
「今回は蛇腹じゃなく直管でつなぎ直しましょう」
その言葉を聞いた瞬間、
私は少し驚き、少し納得しました
曲がって対応できるのが私の強み。
でも、汚れやすく、劣化しやすいのも事実。
クルクル、カチャッ。
数分後–
私は静かに取り外されました。
代わりに取り付けられたのは、
まっすぐで、つなぎ目の少ないグレーの排水管。
・内側はつるりと滑らか
・汚れが溜まりにくい
・水の流れもスムーズ
・耐久性も高い
そう、彼は直管排水管。
「これで安心ですね」
人の声が、少し明るく聞こえました。
水は勢いよく、迷うことなく流れていく。
漏れも、臭いも、もう心配ありません。
私はシンク下の奥から、
その様子を静かに見守りました。
世代交代。でも、後悔はありません。
少し寂しい。
でも、どこか誇らしい。
私が長年支えてきたからこそ、
今、より良い形へとバトンが渡された。
それでいいんです
排水は「見えないけれど、大切な場所」
蛇腹が悪いわけではありません。
ただ、使い続ける場所・年数・環境によっては、
直管つなぎの方が安心な場合もあります。
水漏れや臭いが出てからではなく、
「今はどうなっているか」を一度見てみる。
それだけで、
暮らしはずっと快適になります。
ありがとう。
そして、よろしくね。
かつてここにいた–
排水口の蛇腹より。


