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INOKENナラティブ‼世代交代 シリーズ7

2026/02/23

私は長い間、この部屋を覆ってきました。

柔らかな感触で足元を受け止め、冬の冷たさから人々を守る――

それが私に与えられた役目でした。

子どもたち寝転び、絵本を広げる午後

家族が輪になって語り合う夜。

そのすべての時間を、私は足元から支えてきたのです。

けれど、暮らしは少しずつ変わっていきました。

「お手入れが大変だね」

「細かいものが気になるようになってきた」

そんな声が、いつの間にか日常に混じるようになりました。

ある日、静かな足音とともに作業員さんがやってきました。

私は丁寧に、少しずつ、その場所を離れていきます。

そして姿を現したのは、整った表情をした、新しい足元。

さらに、その奥には、目には見えないけれど確かなぬくもりが息づいていました。

「あ、暖かい」

「足元から、じんわり来るね」

弾む声とととに、部屋の空気が少し変わったのを感じました。

私は、ほんの少しだけ、名残り惜しくなりました。

それでも、不思議と胸の奥は静かでした。

この家の人たちは、私とともに「床に座る安心」を知った。

だからこそ、次の快適さを、自然に受け入れられたのだと思うのです。

世代交代――

切なさと、誇らしさが入り混じる、その瞬間。

私は静かに役目を終えました。

ありがとう。

そして、これからは君が、この場所を温めていく。

–そう、私は「カーペット」。

彼は「床暖房の入ったフローリング」です。

足元から始まる暮らしの物語は、今日も静かに続いていきます。

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