とある少年が、久しぶりにおじいちゃんのお家に遊びに行くことになりました。
でも、少年は、浮かない表情。
いつもは大はしゃぎなのに、とても心配なご両親。
おじいちゃんのお家に到着‼
元気がないままお家に上がりました。
お部屋が明るくなってる‼
急に、嬉しそうに大きな声で叫びました‼
僕ね、ずっと心配だったの。
実は、昨年遊びに来た時に、少年は
『おじいちゃんのお家はなんか暗いし扉(ふすま)も汚いからいやだなぁ~。』
と言ってしまったのです。
遊びに行くことが決まり、それを思い出して憂鬱になっていたのです。
おじいちゃんのお家にINOKENさんが来て、ふすまを綺麗にしてくれたんだ。
そうしたら、お部屋も明るくなったんだよ‼
何犬??
いやいや、前におじいちゃん家のお風呂を綺麗にしてくれた工事の会社の人だよ。
INOKENていうから犬かと思ったよ(;’∀’)
どうやって明るくしたの??
ふすまを変えると明るくなるの??どうやってきれいにしたの??
そうだな、せっかくだからふすまのお勉強をしてみよう‼
まずは、ふすまの種類から。
・本ふすま ・戸ふすま ・ダンボールふすま など
本ふすまは、障子と同じように木で格子の枠(組子)が使われています。
戸ふすまは、ベニアが使われています。
ダンボールふすまは段ボールが芯材に使われています。
昔は、本ふすまばかりでしたが、最近では、段ボール襖が多くなっています。
おじいちゃんのお家のふすまは、本ふすまと戸ふすまです。
それでは、修理していきましょう。
①枠を外し、取っ手を外します。この枠は、上下は釘で止められていますが、左右はスライドさせて引き抜くかたちになっています。
②古くなってしまった襖紙を剥がします。
③芯材に茶チリという紙を貼ります。
茶チリの効果は??
・下地の凹凸がふすま紙の表面に現れるのを防ぎます。
・組子枠からの汚れや灰汁が出るのを防ぎます。
よって、ふすま紙を張る前に茶チリ紙を貼ることで、よりきれいに仕上げることができます。
縁の下の力持ち?なくてはならない重要な役割です。
④ふすま紙を貼ります。
襖紙の縁の周りにだけ糊を付けます。上の写真は戸ふすまになります。廻りを貼ったら、全体をハケで濡らしてローラーをつかって綺麗にのばしていきます。
続いて、本ふすまです。この様に立てて貼っていきます。
こちらも戸襖同様に、縁にだけ糊を付けます。その後、全体を濡らしてぴんと貼っていきます。
⑤襖の裏側も同じように茶チリを貼り、裏張り用のふすま紙 雲華紙(うんがし)を貼ります。
⑥枠と取っ手を付け直して、完成です‼
before after after
ふすまを変えるとお部屋がとても明るくなります‼
おじいちゃんが、ふすま屋さんに教えてもらったのはここまでだよ。
こうやって襖を張る職人さんもいるんだよ‼
そしてこういう方々が、日本式のお家を守ってくれているんだよ‼
お前もこういう職人さんになったらどうだ(*^-^*)
ふすまが綺麗になってお部屋が明るくなったことも嬉しい少年ですが、何よりおじいちゃんおばあちゃんが少年の言った事に対して怒らずにいてくれたことが何よりうれしい少年でした‼